みなさん、ドラマ『着飾る恋には理由があって』はもう観ましたか?
ヒット作『恋はつづくよどこまでも』を手掛けた脚本家の金子ありささんによる本作。
第1話を観た感想は...
ひとことでいうと、「SNS時代にいかに生きるか」について描かれているドラマだと思いました。
もう少しかみ砕くと、「他人の評価に影響を受けやすい時代でいかに生きるか」について描かれているドラマ。
まだ1話しか観ていないので、2話目以降を観たらまた違った見方が生まれるかもしれませんが、ドラマをまだ観ていない人にとっても、すでに観た人にとっても、「今を生きるとは」についてポップに考えるきっかけをもたらせれば幸いです!
Photo Credit: TBS
SNS時代に生きる、対照的な2人の若者
川口春奈さんが演じる「真柴くるみ」は、とあるインテリアメーカーの広報担当。
SNS更新のモチベーションがどこからくるのかは人によって異なりますが、くるみの場合は、想いを寄せている社長こと葉山祥吾(向井理さん)に認められたいとの気持ちが1番の原動力になっている気がしました。
好きな人にはきっといいところを見せたいと思うのは、人類共通の自然な恋心ですよね!
今後ストーリーが展開していくにつれて、くるみの仕事(=SNS広報)に対するモチベーションや、SNSとの付き合い方が変わっていくのかもしれませんが、現時点でのくるみは、SNSと隣り合わせの毎日を送っています。
とはいっても、SNSに縛られて疲弊している姿というよりは、SNSを通じて会社の魅力を伝えるくるみの姿はなんだか楽しそう。
同世代の女の子からもSNSでフォローされて支持されているくるみは、憧れの的。
一方で、そんなくるみの姿に対して懐疑的な姿勢を示すのは、ひょんなことからくるみと一緒のシェアハウスに住むことになった、個人事業主としてマイペースに生きるミニマリストの藤野駿(横浜流星さん)。
企業に属して、仕事に対して前向きに頑張るくるみ。
そんなくるみに対して、スマホを握りしめてSNSを常に気にかけるような、自分を着飾る毎日、オンオフのない生活には耐えられないと皮肉を言う藤野。
藤野の言わんとしていることは分からないでもないですが、同時にどこかで自分自身への引け目を感じているような雰囲気を醸し出す藤野。
SNSは、他人の評価を気にして生きることの象徴?
「SNSに縛られている毎日」を批判しているというよりは、もっと闇深い何かを批判しているような気がします。
ひょっとすると、藤野にとってのSNSとは、ただ単に自分の毎日を気軽にシェアできるツールではなく、「SNS=他人の評価を気にして生きることの象徴」なのかもしれません。
くるみにとっては、赤の他人というよりは、想いを寄せている社長の評価(好意?)を気にして生きている側面が強い気がするのですが、第1話で社長が○○となった今(←ネタバレ防止のために伏せておきます)、くるみがどのように変わっていくのかが見どころなのかなあと勝手に思っています!
くるみがこれから変わっていくことへの暗示として、第1話の最後で、くるみがネイルを落とすシーンがありますよね。
おしゃれに気を遣ってかわいいネイルをしていたのに、ネイルを落としている。
藤野もくるみに「あ、ネイル落したんだ」と言っていましたよね。
ネイルを落としたことは、くるみが素の自分を見せ始めた歴史的瞬間っ!
※脚本を学ぶ身として、外見(この場合ではネイル)の変化を使って登場人物の気持ちの変化を表現する方法を改めて学ばせていただきました。
そして、くるみとの関わりを通じて、藤野もきっと変わっていくんだろうなあと...
第2話目以降が気になる理由
余談ですが、脚本を学ぶ身としてひとこと...
脚本スクールで、「ドラマとは変化だ」と学びました。
物語を通じて、人との関わりあいを通じて、キャラクターに成長なり変化なりがもたらされる。変化があるからこそドラマなんだ、と。
ドラマ『着飾る恋には理由があって』でも、きっとくるみと藤野は互いの価値観をぶつけ合う中で、変化していくんだと思います。そんな変化の予感が第1話で垣間見れたので、どんな風に2人が変わっていくのかを見届けるためにも、第2話以降も観てみたいなあと思いました!
このドラマのテーマはSNSよりももっと深いところにあると思うのですが、SNSに対する見解をあえて述べるとしたら... 個人的には、SNSを全肯定も全否定もしていません。
SNSによってインフルエンサーとして収入を得て豊かな人生を送れるようになった人もいれば、SNSによって少しマウントの取り合いというか、窮屈に感じている人もいるかもしれません。
人の感じ方は十人十色ですが、SNSが自分にとっていい影響をもたらしていると思うなら続ければいいし、ストレスの原因になっていると感じるなら、少しやめてみてもいいかもしれない。
ただ1つ言えることは、死ぬ直前に思い出すのって、SNSで見かけた投稿とかじゃなくて、大切な人とキャンプにでも言ってゲラゲラ笑いあった場面だったりするのかなって思うので、もう少しスマホから離れて目の前にいる人との時間を充足させることができたらいいなあと思っています!
ではでは、おやすみなさい!