家庭の事情って、本当に人それぞれですよね。
しかも、子どものときって、家庭のことをなかなか人に相談できないものですよね。
親や親に値する人から「周りに言うな」と言われたりして...
誰にも相談できないのは辛いものですが、そんなときに支えてくれるのが映画。
ということで、今日は、両親が離婚して迷走していた思春期時代、わたしがお世話になった映画を紹介したいと思います!
片親家庭、親子愛、養子...
いろんな家庭環境に置かれ、「なんで自分だけ...」って惨めになる中で、人生に光みたいなものを見出していく主人公たちに勇気づけられる... そんな映画たちです。
The Blind Side|幸せのみつけかた
あらすじ:
身寄りがなく心に傷を負った少年マイケル・オアーが、とある女性とその家族の助けによって高校のアメフト部に入部し、NFLドラフト1巡目指名選手までに成長する物語。
なんとこれ、実話なんです!
勇気をもらったポイント:
マイケルを養子として迎え入れた女性(演:Sandra Bullock)が、腫れ物を触るようにマイケルに接するのではなく、時にやさしく、時に厳しく(というか厳しい方が多い?)、実の子どもかのようにマイケルと接するところが素敵。
当時は、大学進学のために奨学金を目指すマイケルの姿に、自分を重ね合わせていたのかもしれません。この映画を機にマイケル選手のことを知り、尊敬するようになりました。「マイケル・オアー選手に会ってみたい!」と思っていましたが、マイケル選手が「同情ではなく、実力で認められたい」と話していることを知り...
誰にも相談できなかった当時の自分としては、多分心のどこかで同情してほしい気持ちがあったんだと思います。だから、マイケル選手の言葉になぜかもやもやしていました。でも、大学時代にペラペラ過去のことを喋って「誰にも相談できなかった」というやるせなさが解消された今となっては、「同情ではなく実力で認められたい」とのマイケル選手の心情がわかる気がします。
Real Steel|リアル・スティール
あらすじ:
近未来 ー すっかり人気スポーツとなった、ロボットによるボクシング対決。
妻と離婚した元ボクサーは、息子とはなかなか会わない生活を送るも、ひょんなことから息子とひと夏を過ごすことに。
ゴミ捨て場から拾ったロボットで、父子が2人3脚でロボットボクシングに挑む物語。
勇気をもらったポイント:
なかなか父と会えない息子に感情移入したのと、ダメダメだった父親が息子との深いかかわりあいを通じて変わっていく様子に、なんだか勇気をもらいました。
人はそう簡単に変わるものじゃないし、変わるのは映画の中だけの話かもしれませんが、それでも「人は変われる」と希望を持てる物語です。
「人は変われる」かもしれませんが、「人を変える」のは相当チャレンジングなことなので、あまり人を変えようと躍起にならないほうがいい気はします。ただ、自分が変わることで、人が変わろうと思うきっかけになることはできますよね!
とにもかくにも、父子との親子愛に「こんなのあったらいいなあ...」とハンカチで目を拭きたくなる作品です。
Slumdog Millionaire|スラムドッグ$ミリオネア
あらすじ:
インド版「Who Wants to be a Millionaire」。全問正解したら一攫千金のTV番組で、不正行為を疑われたムンバイのティーンエイジャー。彼の波乱万丈な人生を振り返りながら展開する、スリリングな物語です。
勇気をもらったポイント:
逆境を追い風に変換させてしまう主人公の生命力に、脱帽させられまくりです。
(脱帽しすぎて、ついに脱げる帽子がなくなりました。)
すみません、ふざけてしまいましたが、とにかく心揺さぶられる映画です。
ぬるま湯もあったかくていいものですが、ぼんやり時を過ごすのではなく、もっと「生きる」にありがたみをもって、「生きる」に全力投球したくなる物語です。
さいごに:
当時は誰にも相談できないことをもどかしく感じていたし、本当は悲しいのに学校へ行くときは笑顔を取り繕わないといけないことが虚しく感じていました。
ただ、今から振り返ってみると、笑顔を取り繕っていたのは、他でもない自分のためだったんだろうなって思います。
Aqua Timezの名曲『決意の朝に』で、「辛い時辛いと言えたらいいのになぁ 僕達は強がって笑う弱虫だ。淋しいのに平気な振りをしているのは 崩れ落ちそうな自分を守るためなのさ」というフレーズがあるのですが、まさにこれ...!
親がいない子ども、シングルマザー/ファザー家庭の子ども、貧困家庭の子ども...
いろんな境遇に置かれた子どもが日本にもたくさんいると思いますが、子どもって、わざわざ「子ども 貧困 支援」みたいなキーワードをGoogle検索しないんですよね。
じゃあ何するかというと、信頼できる誰かに相談するか、はけ口をどこかで見つけるか。
わたしの場合は、シングルマザー家庭ながらも学生時代はそのことを誰にも言わずに(言えずに?)過ごしてきたので、はけ口を見つけるしかありませんでした。
そしてそのはけ口は、音楽と映画でした。
YouTubeで音楽を聴いたり、ストリーミングサイトで映画を観たり(今はちゃんと動画配信サイトに課金しています)。
インターネットな時代に生まれたおかげで、無料で音楽や映画を楽しめる環境だったからこそ、やるせなくなったときは、いつもYouTubeを開いてエンターテインメントを楽しんでいました。
当時の原体験は、今の自分の価値観にすごい影響を与えているんだろうなあと思います。
というのも、シングルマザー家庭だったわたしにとって当時本当に必要としていた支援は、なんといっても「お金」と「エンターテインメント」でした。相談できる人はもちろんいるに越したことはなかったですが、相談できない/したくないとき、人は何に勇気づけられるかというと、やっぱり音楽や映画などのエンターテインメントじゃないかと思うのです。
だからこそ、もし今誰にも相談できずに1人で苦しんでいる方がいたとして、たまたまこのブログ記事に巡り合ってくれたとして、たまたま紹介した映画に勇気づけられたとしたら、これほど嬉しいことはないです!
大学時代になってオープンに友達に家族のことなどを話せるようになってから、少しずつ心が癒えて、今ではトラウマを克服できた気がしますが、子ども時代の経験は心に鮮明に刻み込まれがち。
今は辛いかもしれないし、大人になっても辛いことはたくさんありますが、少しでも紹介した映画たちがみなさんの心に寄り添ってくれますように!