北極星のみつけかた|yuzubaby

自称宇宙人のゆとり世代が書く雑記ブログです。

北極星のみつけかた

どうやってPMFを見つけるのか?

あらゆるスタートアップが直面している課題。

それは、PMF(Product Market Fit)を見つけること。

今日は、スタートアップ、そしてあらゆる事業を成長させていく上で大切なPMFの見つけ方について書いていこうと思います。

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アメリカでPMFを見つけられるスタートアップは全体の約20%と言われているようです。18ヶ月の間PMFを見つけられなかったスタートアップが、どうやってPMFを見つけたのか。シリコンバレーの有名なアクセラレーターであるY Combinatorの動画から学んだことをシェアします!

David Rusenko - How To Find Product Market Fit
https://www.youtube.com/watch?v=0LNQxT9LvM0&t=39s

 

PMFとは?

PMFとは、Product Market Fitの略。

"I have an idea!"
(いいアイディアを思いついた!)

からはじまるスタートアップ。
ただ、そのアイディア(のちのプロダクト)は人々が欲しいと思うものでなくては成功できない。

"Make something people want"

はY Combinatorで呪文のように唱えられているフレーズですが、このフレーズに付け加えるとしたら、"Make something a lot of people want"が大切。

ただ、PMFを見つけるのは超難関といわれています。

イケてる企業は、自らマーケットをつくる

どうやってマーケットをつくるのか?
実は、マーケットリサーチはあまり役に立たない。
 
というのも...
「車がなかった時代に人々に「何がほしい?」と聞いたら「もっと速い馬」と答えただろう」というかの有名なヘンリー・フォードさんの言葉がありますが、まさにそのこと。顧客の声に耳を傾けることは大切だけど、顧客の声を鵜呑みにしていたら革新的なものは生まれない。

 

じゃあ何をすればいいかというと...
隠れたニーズを見つけること。

 

既に目に見えてる課題を解決するのではなく、まだほとんどの人が気づいていない隠れた課題を見つける。
たとえば、
フリマアプリという概念をつくったFablic。
(今はメルカリが目立っていますが、もともとはこの会社がフリマアプリというマジックワードを生み出したそうです)
ライドシェアという概念をつくったUBER
他人の家に泊まれるという概念をつくったAirbnb
マーケットがない=需要がないということではなく、需要が発見されていないだけ。

そして隠れたニーズだと思うものを見つけたとき、そのニーズを満たすような試作品(プロトタイプ)を提供して反応を試すのですが...
面白いのが、そのプロトタイプを実際に使ってみてもらったら、自分たちが考えていたニーズを満たせたというより、自分たちが想定していなかったような使われ方をして、想定していなかったニーズを満たせると判明することもあるということ。

 

たとえば...
ハーゲンダッツジャパンの副社長が、「ハーゲンダッツはアイスクリーム市場で戦っているのではない。ハーゲンダッツはご褒美市場で戦っているのだ」と言っていますが、まさにそのこと。
もしハーゲンダッツが自分たちの商品を「アイスクリーム」として位置づけて、「アイスクリーム好きな人」をターゲットにしていたら、もっと味の種類を増やそうとか、もっと値段を安くしようとか、そういった次元で物事を考えていたはず。
でも、ハーゲンダッツが自分たちの商品を「自分へのご褒美」として位置づけて、「普段頑張ってる分だけちょっと贅沢したい気分の人」をターゲットにしたことで、今のような「ご褒美にハーゲンダッツ」というポジションを確立したそうです。
いやあ、さすがです...

どうやって目からウロコのプロダクトをつくるのか

<ステップ>
⇒顧客と話す
⇒顧客の問題を聞く(解決策については話さない)
⇒特急でプロトタイプをつくってユーザーテストする
⇒ソリューションをつくる
⇒ソリューションをテストする⇒ソリューションがハマるまで、最初から同じステップを繰り返す
※このプロセスを恐らく27回以上繰り返すことになるだろうとのこと...
それぐらいPMFを見つけるのは大変ということですね。笑

 

⇒顧客の問題を聞く際のポイント
「マーケットリサーチは意味がない」と言ったSteve Jobs氏。
ただ、マーケットリサーチをしないからといって、顧客とまったく話さなかったわけではない。むしろその逆で、顧客とひたすら話し、考え、話し、実行した末に生まれたのがiPhone
顧客の問題を聞いて「ああ、確かにそれは問題ですね」とそのまま鵜呑みにするのではなく、本当の問題はどこから来ているのかをひたすら突き詰めること。
腰が痛いからといって、痛みの原因が腰にあるとは限りませんよね。
腰に問題があるのかもしれないけれど、もしかしたら脳に問題があって腰に症状が現れているだけかもしれない。だとしたら、解決すべき課題は脳にあるのであって、腰ではない。顧客の問題をひたすら聞く。ただ鵜呑みにせずに聞いた内容を常に深堀りすることが重要。

 

⇒特急でプロトタイプをつくってユーザーテストする際のポイント
完璧にプロダクトを完成させてからテストするのではコストがかかる。
「このプロダクトいいね!」と思ってもらえる体験ができるものであれば、なんでもよい(メモ帳にアプリの画面を書いて見せるだけでもOK!笑)。
プロダクトをスケールさせようとかマネタイズさせようといった邪念は一旦忘れて、とにかくプロトタイプが顧客を熱狂させられるかどうかを試す。
予想の10倍はやり直し(顧客の反応に合わせてプロトタイプの作り直し)が必要だと心構える。

 

⇒ソリューションをテストする
誰とでも話すのではなく、誰と話すのかを決める(「誰と話すか」は柔軟に変えてよい!)

PMFが起きていることを示す3つの兆候

1. 再訪問率(1日、3日、7日、30日間)
2. NPS(9-10と答えた人が50%以上)※NPS = Net Promoter Score
3. 有料顧客の再更新率(←チャーンよりこれ!)

 

PMFを見つけようとしている段階で下記を指標としてみるのはイケてない...
サインアップ数
コンバージョン率
⇒これらよりも、再訪問率、NPS、有料顧客の再更新率をみる!

 

【備考】
PMFを達成したら、チャネルとモデルフィットも考える
Market <> Product fit
Product <> Channel fit
Channel <> Model fit
Model <> Market fit

 

PMFを見つけるのって、座禅に似ているなと思いました。
マネタイズとかスケールとかいった邪念を捨てて、とにかく意識を集中させる。今後もY Combinatorの動画やスタートアップ哲学系の記事を書いていこうと思いますので、よろしくお願いします!