北極星のみつけかた|yuzubaby

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北極星のみつけかた

AirbnbのGustaf氏が語る、コンバージョン率の最適化法

Airbnbの急成長を牽引したGustaf Alstromer氏が「どうやって顧客を獲得して成長するのか」について語った動画の内容(後半)を続けます。

 

Gustaf Alstromer - How to Get Users and Grow
https://www.youtube.com/watch?v=T9ikpoF2GH0

 

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ファネルを通じてコンバージョンを最適化する

PMFを達成しているか測るために、そしてPMFを達成した後に成長するために、コンバージョン率の最適化は必須。単純に見込み客を⇒顧客にするというコンバージョンだけでなく、見込み客から顧客になるまでの道のりを段階別に分けて、それぞれの段階でのコンバージョン率を上げることが重要。

 

コンバージョン率を上げるにあたっては、「ファネル」を意識することがカギ。ファネルとは、直訳すると「漏斗(=逆三角形の形をした器具)」のこと。購買フェーズとその人数を図式化したもので、購買に近づけば近づくほど人数が減ることを示しています。 

 

どのように顧客にアプローチするのか(=顧客が自社を知る入口)次第でファネルの中身も変わってくるのですが、参考までにレファラルのファネルをどのように作るのか、そしてどのようにコンバージョン率を上げるのかについて下記に共有します。

 

Referral Funnel
まず、口コミとレファラルの違いについておさらい。
口コミ=ユーザーがプロダクト体験/評価を友人に話すこと
レファラル=より多くのユーザーがプロダクトを友人に勧めるよう促すこと

 

 ▼レファラルのファネル(=プロダクトをおすすめされて購入するまでのプロセスを段階別に分けたもの)はこんな感じ。

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▼上記のファネルをさらに因数分解するとこんな感じ。

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上記のように分解が終わったら、各パーツでコンバージョン率を高めるための施策を行なって全体的な最適化を図る。

 

ちなみに、既存ユーザーにレファラルを促す方法は主に2つ。
1. シェアボタンをつける等して、友人へ簡単におすすめできるようにする
2. 金銭的インセンティブを用意する
Airbnbでは上記2を行なったとのこと。

 

Airbnbの場合は、上記の図の上から3番目(Users sending invites + sharing)のステップにおいて、既存ユーザーに「友達にAirbnbを紹介してくれたら$40あげるよ!」との金銭的インセンティブを込めたメールを送ったそうです。

 

そしてこのような招待を送るのはレファラルの最適化におけるごく一部でしかなくて、招待メール以外のパーツもちゃんと最適化することが大切。

 

レファラル以外にも、顧客にアプローチして購入を促す方法は多数あります。大切なのは、プロダクトと顧客の性質に合わせて最適な手段を試し選ぶこと。

画像3

 

たとえば...

・Is this a rare behaviour that people use Google to find a solution?
Google検索で見つけやすいプロダクトか?)
 ⇒もしYesなら、SEOを試してみると◎

・Do existing users already share your product via word-of-mouth?
(既存ユーザーはすでに口コミでプロダクトを広めているか?)
 ⇒もしYesなら、バズる系・レファラルを試してみると◎

・Does having more users improve the experience?
 (ユーザー数が増えることでプロダクトの価値自体も向上するか?)
 ⇒もしYesなら、バズる系を試してみると相性◎

・Do I already know who each of my future users are?
 (今後どのようなユーザーが顧客になりうるか把握しているか?)
 ⇒もしYesなら、営業リストをつくりアプローチしてみると◎

データにもとづく意思決定の重要性

どのファネルを選ぶかをはじめ、1つ1つの意思決定は運命を左右する。
だから、意志決定を勘や度胸だけに頼るのはリスクが高すぎる。

Most of the world will make decisions by either guessing or using their gut. They will either be lucky or wrong. 
ほとんどの人は、勘や度胸をもとに意思決定をする。
彼らの行く末は、運に恵まれるか失敗するかのどちらかだ。
- Mixpanel創業者

この言葉が語るように、もし勘や度胸に頼って下した意思決定によっていい結果が待っていたのだとすれば、それはただ単に運がよかっただけ。
でも、毎回運に恵まれるとは限らない。
だからこそ、意志決定のフレームワークを設定する必要がある。

 

Airbnbにみる『Experiment Review』の文化

Airbnbでは、データドリブンな意思決定を促進するため、必ずA/Bテストを徹底してから意思決定を行なうようにしている。
Airbnbでやっていることを体感するためのエクササイズをやってみよう。

 

エクササイズ① 下記のうち、どちらのUIがより多くのシェアを促進したか?

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<Thinking Time> 

 

▼答えは右!

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エクササイズ② 下記の内、どちらがより多くのサインアップ数を獲得したか? 

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<Thinking Time>

 

▼答えは右!

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⇒このようにA/Bテスト(=意志決定のフレームワーク)があれば、権力がある人、主張が強い人の意見をもとに意思決定がなされる事態を回避できる。データドリブンな意思決定は、チーム内の不満をなくすためにも失敗を軽減するためにも重要。

 

サマリ

スタートアップが成長するために大切なことは下記の通り:

1. スタートアップ=成長
2. リテンション率を測る
3. 成功を測るための指標を決め、現実と理想のギャップを埋める
4. 実験(A/Bテスト)の文化を根付かせる 

 

PMFの段階では、誰に使ってもらえるかを考えるのにリサーチと思考の時間を割くより、まずはいろんな人に使ってもらって誰が残るかリテンションを測るのも大切なんだなと気づいた動画でした。

 

今後もY Combinatorをはじめとする海外のスタートアップにまつわる知見を逆輸入していきたいと思いますので、よろしくお願いします!

 

写真の参照元
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