北極星のみつけかた|yuzubaby

自称宇宙人のゆとり世代が書く雑記ブログです。

北極星のみつけかた

ソーシャルビジネスとビジネスの違いを真面目に考えてみた

よく「ビジネスとソーシャルビジネスの違いって何?」と聞かれます。
前者は第一目的が利益追求なのに対して、後者は第一目的が課題解決、とよく言われますが...
ぶっちゃけどちらも実は似ているんじゃないかと思います。 

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I. ビジネスとソーシャルビジネスの本質とは?

「働く」の語源が「ハタをラクにする」から来ているように、ビジネスとは誰かの課題を解決することでお金をもらうこと。だから、ビジネスもソーシャルビジネスも、誰かの何かしらの課題を解決していることに変わりはない。
 
ただ、ビジネスの場合は、課題解決の対価として金銭的報酬を得るまでが守備範囲。どんなに課題解決をしても、金銭的報酬が足りなければ「赤字」とみなされる。
 
一方で、ソーシャルビジネスの場合は、課題解決をするまでが守備範囲。課題解決の対価として精神的報酬を得ることはあっても、金銭的報酬を得たいわけでも得られるわけでもない。課題解決を続けるために、何かしらの収入源を別途確保する必要はあるけれど、その収入源は課題解決から得るわけではない。
 
ビジネスの場合は、事業を続けるためにも従業員にお給料を支払い続けるためにも、金銭的報酬を得て黒字を保つことが大切。だから、おのずとターゲットとなるお客さんは「お金を払える人」となる。
 
一方で、ソーシャルビジネスの場合は、事業を続けるためにも従業員にお給料を支払い続けるためにも、収入源を保つことは大切。だけど、ターゲットとなる相手は「お金を払えない人」であることが多い。そしてお金を払えない人は、企業には相手にされないから、代わりに誰かが「お金を払えない人を払える人にする」か、「お金が払えるようになるまで無償で支援する」という役割を果たす。そしてその「誰か」がソーシャルビジネスといわれる存在なんだと思う。
  

II. ビジネスが悪と呼ばれるワケ

ビジネスの根底には「三方よし」の精神があるように、ビジネス自体は決して悪ではないし、むしろ顧客と従業員の生活を支えてくれている大切な営み。そしてそんなビジネスを続けるためにも、利益を常に意識することは当然のこと。
 
ただ、課題解決を無視または軽視して金銭的報酬を得ることに奔走してしまうと、いわゆる「虚しいビジネス」が生まれてしまう。たとえば...
A. ろくに課題解決しないまま報酬を得ようとする
B. わざと課題を生み出して報酬を得ようとする
C. 非道・不正な手段で課題解決をして報酬を得ようとする
 
言葉は悪いですが、
Aはお調子者系ビジネス
Bは詐欺師系ビジネス
Cは犯罪者系ビジネス
といったところでしょうか。
 

III. ソーシャルビジネスが偽善と呼ばれるワケ

一方で、ソーシャルビジネスの根底には「あの人の課題を解決したい」の精神がありますが、偽善とかよくわからないとかうさんくさいと言われることもあるかもしれません。課題解決を無視または軽視して精神的報酬を得ることに奔走してしまうと、いわゆる「虚しいソーシャルビジネス」が生まれてしまう。たとえば...
A. 課題ではないかもしれないものを課題と決めつける
B. 相手に感謝されることを当たり前だと思う
C. 相手のためというより承認欲求のために行動する
 
名付けて...
Aは空振り系ソーシャルビジネス
Bは上から目線系ソーシャルビジネス
Cは承認欲求系ソーシャルビジネス
 
Aは、現地に行って当事者に話を聞いて確かめればいい。
 
BとCに関しては...誰かのために何かをしてあげたときは、もちろん「ありがとう」と言ってもらえたら嬉しいし、ちょっといいことをした自分に対して自己肯定感がアップしますよね。だから、BとCは完全に悪ではないと思うし、人間誰しも誰かに感謝されたいとか認められたいっていう気持ちは少なからずあると思います。
 
それに、もし本当に誰かの課題を解決しているのだとしたら、感謝されたり認められたりするに値するというか、むしろ感謝されてほしいし認められてほしいとも思います。
 
ただ、「感謝される」とか「認められる」はもらえたら嬉しいおまけみたいなもので、ソーシャルビジネスを続ける上でのモチベーションとしては脆い。感謝されないこともあるし、認められないこともあるから。
 
だから、ソーシャルビジネスを続ける上でのモチベーションは、当事者の課題を解決することを中心に置いた方がきっと続くんだと思う。
 
人によっては「あなたと関係ないのになんでやるの」みたいに批判する人もいるかもしれないけれど、別に自分が当事者じゃなくても全然構わないと思う。自分が当事者だったり当事者と近い立場にいたりする場合は、モチベーションが続きやすいのかもしれない。だけど、むしろ当事者じゃないのに他人のことを「自分ごと」として捉えて行動できる人はすごい。
 

まとめると...

ビジネス
・お金を払える人の課題解決
・対価として金銭的報酬を得る
・1番守りたい人は、従業員と株主
 
ソーシャルビジネス
・お金を払えない人の課題解決
・対価として金銭的報酬は得ない
・1番守りたい人は、課題に直面している人
 
どちらも、「誰かのための課題解決」という点は共通している。
でも、「誰のため」という点が違う。
ちなみに自分は、どちらも素敵だと思うけれど、やっぱりソーシャルビジネスに惹かれます。