最近、「人間中心」という言葉をよく聞きます。
世の中の商品もサービスも、人間中心(Human-centered)で考えていこうという流れが生まれつつある。人の気持ちを想像して何を欲しているかを考えた上で、より人の気持ちに応える商品・サービスを作っていこうという流れは素晴らしいと思います。
自身が勤めているコンサルティング会社でも、デザインシンキングと呼ばれる人間中心で戦略・サービス設計を行なうアプローチが主流となりつつあります。もともと人の深層心理だとか人の人生を豊かにするだとかに関心があるので、デザインシンキング自体はすごく面白い手法だと思います。
一方で、ふとした瞬間に脳裏に浮かぶこと。
「人間だけでいいの?」
地球には人間以外にもたくさんの生きものが住んでいるわけで…
はっ。みなさんの声が今聞こえてしまいました。
「コイツ休みの日に一体なんなんだよ…」
きっとこう考えていますよね?あ、図星?あ、考えてない?
「また1人ツッコミ始まったよ…」
と飽きられてしまう前に、今から伝えたいこと、なんで今から伝えようとしていることがみなさんにとって重要かもしれないのかを言ってもいいかな?(いいともー!)
えっとですね、なんでもっと地球環境を考えないのかとか資本主義アンチだとか文句を言いたいわけではなくて…
せっかく世の中が人間中心なりソーシャルビジネスなりCSVなり、人にとって本当にいいビジネスを作っていこうという流れに乗りつつある。でも、忘れてはいけないことを忘れてしまっている気がする。だから今こうして筆を握っています(すみません、筆は握っていません。サンマルクカフェのチョコクロ片手にキーボードを愛でています…)。
コンサルティング企業で働いているにも関わらずまだまだペーペーの社会人2年目ですが、これからの世の中をカタチ作っていくビジネスピーポーのみなさんには読んでいただけたらカフェで1人はにかみレベルで喜びます!
こう考えるようになったきっかけは、大学の友人と風の谷のナウシカを観た後に友人が発したひとことにありました。
「人間中心の世界が嫌い。」
お恥ずかしながら日本の名作である風の谷のナウシカを観たのはそのときが初めてで、ナウシカさんを語るには圧倒的に背景知識が足りていないので多くは語りませんが、人間が好き放題に地球の資源を使って環境を汚染した結果…
という感じの設定です。
友人が発した
「人間中心の世界が嫌い。」
このひとことで、ハッとしました。
思い返せば自分も幼い頃は動物保護とか環境保護とかに興味をもってたけど、いつの間にか人間に関心が移り変わっていって、
どうしたら子どもに教育の機会を提供できるか?
どうしたら難民に雇用の機会を提供できるか?
そういった人間中心のことばかりを考えていて…
世界には人間以外の生きものがたくさんいるのに、いつの間にか世界をよくする=人の生活をよくするみたいな考え方してたなあ…
友人の言葉が響いた理由は、もう1つあります。
会社の社会貢献活動の一環で、障がいのある方々が働く農場を経営している「つくばアグリチャレンジ」というNGOとお付き合いする機会がありました。
数ヶ月間に渡ってコンサルティング支援した後、つくばアグリチャレンジさんがクラウドファンディングで新設した養鶏場にお邪魔させてもらったときのこと。
採れたての卵を大好きな卵かけごはんにしていただいたのですが、そのときに養鶏場の現状を聞きました。
「多くの養鶏場では、狭いスペースでできるだけ多くの卵を採れるように、効率重視の養鶏場の運営をしてる。真っ暗な部屋の中で、正方形のすごく狭いケージにニワトリを5匹ぐらい詰め込んでる。ケージの中でニワトリ同士が突きあって喧嘩しないよう、クチバシの先頭を切ってしまうんです。だから固形物をくわえることができない。食べ物はケージの下に流される流動食のみ。ウチ(つくばアグリチャレンジ)ではなるべく今」
こう聞いたとき、なんとも言えない気持ちになりました。
毎朝「おいしい~」と言いながら何気なく食べている卵は、そんな待遇を受けているニワトリからもらったもの…
全国の養鶏場を批判しようとしているわけでもなく、肯定しようとしているわけでもありません。
問題視するのでもなく楽観視するのでもなく、まずは直視することが大切。直視した上で自分にできることをすることが大切。
養鶏場を訪れるまで、そして友人の「人間中心の世界が嫌い」を聞くまで、直視できていませんでした。
盲目状態で、自分のことばかり考え、人間のことばかり考え、自分の生活の裏で他の生き物に起こっていることを見られていませんでした。
「自然界だって弱肉強食なんだから、知性を発揮してここまで発展した人間が世界を支配するのは仕方ない/当たり前じゃん。」
そう言う方も中にはいるかもしれませんが、支配するにしてもやり方はいくらでもあるわけで。
それに人間だって食物連鎖に頼って生きているから、他の生きものと共存していく方法を考えないといけないわけで。
ただ単に共に存存するだけじゃなくて、お互いがハッピーな感じで共存できたらなお素敵なわけで。
まあキレイゴトと思われるかもしれませんが、綺麗なことは好きなので言います!笑
・人間が他の生きものを支配する世界
・人間が他の生きものと共存する世界
・人間も他の生きものもハッピーに共存する世界 ←理想はここ
食い食われ… みたいな意味では捕食側と捕食される側の間に相互ハッピーなんて無理かもしれませんが、
それでもせめて他の生きものに対してもうちょっと感謝を示すとか敬意を示すってことはできると思うんですよね。
養鶏場の例でいくと、ニワトリのクチバシを切らずに他の方法で管理するとか、保健所で犬・猫を殺処分するのではなく他の方法で犬・猫を守るとか…
勘が鋭いみなさんなら既に気づいているかもしれませんが、今これを書いていて自分でつくづく思うんですよね。
自分、ただの批判者やんっ!クレーマーやんっ!
会社でプロボノをやる中でつくづく思うのですが、問題を見つけるのは誰でもできるし、批判を言うのは簡単なんですよね。
批判をどうやって原動力にして解決策を見出せるか。さらには実行できるか。
傍観者でもなく、批判者でもなく、実行者でありたい。
(↑ちょっと名言チック!でも自分で言っちゃう時点で名言ではないですね…)
ちなみに、「人間中心の世界が嫌だって友達が言っててね…」
と同期に話したら、
「まあ人間だからね、人間中心で考えるのは仕方ないよね」
と言っていました。
確かに…
ただ、人間以外の生きものもいると意識できるぐらいの余裕があればなおいいですよね!
長文でつらつら書いてしまいましたが、言いたいことを3文でまとめますね!
(最初からそうしろや!って感じですよね、はい… まあ雨(=長文)降って地固まると言いますか… 雨降って虹がかかると言いますか…)
言いたいことをまとめると、
・地球に住んでいるのは人間だけじゃない
・人間中心で考えてもいいけど、人間しか見えていないのはカッコ悪い
・これからあるべきビジネスの姿は、地球上生物(人間+生きもの)思考
個人的にソーシャルビジネスを起業してみたいと密かに考えているのですが、
できるだけ、ただの人間思考で考えるのではなく、人間+生きもの思考で考えたいですね!
というか考えます。
また人間中心思考に陥ってたら、ぜひ叱ってください!
それではみなさん、貴重な三連休の最終日に最後まで読んでくださってありがとうございました。
ヴィバ地球上生物思考!